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Azure全般 / SQL Serverに関する情報を発信していきます。

【新機能】Azure SQL Database 無料プラン について (プレビュー)


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プレビュー機能として Azure SQL Database 無料プランが登場しました。

Azure SQL Database を利用した PoC (概念実証) や アプリケーション開発が必要な人向けに設定されているとのことです。

今回は Azure SQL Database 無料プランで Azure SQL Database をデプロイする方法について、自身の整理も兼ねてまとめてみようと思います。

 

 

Azure SQL Database 無料プランについて

Azure SQL Database 無料プランは、フルマネージド PaaS データベース エンジンである Azure SQL Database を毎月、無料プランの枠内で利用可能となるプランです。

つまり、1ヶ月の無料枠を使っても、次の月にはクリアされるため、毎月 無料枠の範囲で Azure SQL Database が永続的に利用可能になります。

無料枠の内容、無料プランのオプションなどをまとめてみます。

 

無料プラン枠
  • Azure SQL Database General Purpose サーバーレス
  • 100,000 仮想コア秒/毎月
  • 最小仮想コア数 : 0.5、 最大仮想コア数 : 4
  • 最小メモリ : 2.1 GB、最大メモリ : 12 GB
  • 最大データベースサイズ : 32 GB
  • ゾーン冗長機能 : 無
  • バックアップ ストレージ : ローカル冗長バックアップ
  • ポイントインタイム リストア (PITR) : 7日間
  • エラスティック プール : 利用不可
  • 自動フェイルオーバー グループ機能 : 利用不可
  • Azure サブスクリプションに 1個のみデプロイ可能

※ 毎月 100,000 仮想コア秒の制限があるため、仮想コア数が高くなる処理を実施すると仮想コア秒が多く消費され、100,000 仮想コア秒の制限に早く到達することになります。

 

無料プランオプション

Azure SQL Database 無料プランでは2つのオプションを選択することができます。

  1. 無料枠到達時「来月までデータベースを自動一時停止する
     無料枠到達後は来月までデータベースが利用できなくなります。

  2. 無料枠到達時「追加料金でデータベースの使用を続行する
     無料枠到達後も追加料金が発生するがデータベースを利用することが可能になります。
    ※ 現時点において、一度「追加料金でデータベースの使用を続行する」を選択すると、「来月までデータベースを自動一時停止する」に戻すことが出来なくなる点に注意が必要です。

 

仮想コア秒の算出方法

仮想コア秒 計算式 : (最小仮想コア数、使用された仮想コア数、最小メモリ GB * 1/3、使用されたメモリ GB * 1/3) の内、最も最大となる値 * 稼働時間

 

[例] 0:00-1:00 (1h) の Azure SQL Database サーバーレス 稼働状況が以下の場合

最小仮想コア : 1

最大仮想コア : 4

最小メモリ :  2.1 GB

最大メモリ : 12 GB

使用された仮想コア数(1秒あたりの平均) : 3

使用されたメモリ(1秒あたりの平均) : 6 GB

 

仮想コア秒 計算式 : (最小仮想コア数: 1,  使用された仮想コア数: 3,  最小メモリ*1/3: 0.7, 使用されたメモリ*1/3; 2) * 1時間 (3600秒)

※ 使用された仮想コア数: 3 が最も大きな値となるため、3 * 3600 = 10,800 と、本例の場合の 仮想コア秒は 10,800 秒となる。

 

仮想コア秒の使用量確認方法

Azure 管理ポータル - SQL データベース - 該当データベース - 監視 - メトリック で以下のメトリックを確認することで、無料枠の仮想コア秒の残り時間を確認することができます。

  • メトリック : Free amount remaining
  • 集計 : 最小値

 

 

Azure SQL Database 無料プランでデータベース作成

1) Azure ポータル - SQL Server -「+ データベースの作成」を選択します。

 

2) Azure SQL Database 無料プランを利用するため、「Apply offer (Preview)」をまず初めに押下します。

 

3) 「Free database offer applied!」と無料プランが有効になったことを確認後、任意のデータベース名を入力後、「データベースの構成」を押下します。


4) 必要項目を入力後、「適用」を押下します。

  • Free database offer (Preview) : Applied
  • Behavior when free offer limit reached : 「来月までデータベースを自動一時停止する : Auto-pause the database until next month」or 「追加料金でデータベースの使用を続行する : Continue using database for additional charges
    ※ 本例では「来月までデータベースを自動一時停止する : Auto-pause the database until next month」を選択します。
  • 最大仮想コア数 : 1 - 4
  • 最小仮想コア数 : 0.5 仮想コア (固定)

 ※ 最小メモリ、最大メモリは、最大仮想コア数により自動的に増減します。(最大 12GB)

 



5) 「確認および作成」を押下後、作成するデータベース情報が正しいことを確認し、「作成」を押下して Azure SQL Database 無料プラン データベースをデプロイします。

 

 

6) Azure Data Studio などから デプロイした Azure SQL Database 無料プラン データベースにアクセスし、クエリ動作などを行えることを確認します。

 

まとめ

今回は Azure SQL Database 無料プランで Azure SQL Database をデプロイする方法について、まとめてみました。

無料枠という制限はありますが、Azure SQL Database を毎月、無料プランの枠内で利用可能となるのは嬉しいですね。

Azure SQL Database は、Azure PaaS データベース エンジンの中では最も機能が充実しているため、この機会に利用してみても良いかもしれません。

 

参考情報

 

※ 2023年11月現在