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【新機能】Azure SQL Managed Instance (Ignite 2023)


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Ignite 2023 では、生成AI (LLM) , Copilot などの AI サービスで盛り上がりましたが、データ プラットホーム (Data Platform) 分野でも新機能が発表されました。

今回は Azure SQL Managed Instance の新機について、自身の整理も兼ねてまとめてみようと思います。

 

 

Azure SQL Managed Instance とは

Azure SQL Managed Instance は、オンプレミス SQL Server Enterprise Edition エンジンとほぼ100%に近い互換性をもつクラウド データベース サービス (PaaS)であり、CLR統合機能(CLR関数)などの特殊な機能を使用している場合、オンプレミス SQL Server データベースを可能な限り手間を掛けずに Azure 上に移行したい場合に最適です。

オンプレミス SQL Server の完全バックアップからデータ移行したり、Azure Data Migration Service や Managed Instance リンク などを利用することで、ダウンタイム無しにデータ移行を実現することも可能です。

 

Azure SQL Managed Instance 新機能 (Ignite 2023)

Azure SQL Managed Instance 無償トライアル

近日中、Azure SQL Managed Instance を Poc (概念実装) や アプリケーション テスト目的として、以下の範囲で 12ヶ月間無償で利用可能になることが発表されました。

【無料トライアル リソース】

  • 仮想コア : 4 仮想コア もしくは 8 仮想コア (720 仮想コア時間/月 まで)
  • データ ストレージ : 64 GB
  • バックアップ ストレージ : 64 GB

 

Azure SQL Managed Instance 開始/停止

Azure SQL Managed Instance の仮想コア利用料、SQL Server ライセンス 利用料を節約するため、Azure SQL Managed Instance を自由に開始/停止できるようになりました。

Azure 管理ポータル や Azure CLI/PowerShell から簡単に Azure SQL Managed Instance の 開始/停止 を実施することが出来るようになっています。

※ 開始には 20分 程度の時間を要する点には注意が必要そうです。

 

Azure SQL Managed Instance 高速デプロイ機能 (30分以内)

現時点においては、以下の制約がありますが、Azure SQL Managed Instance のデプロイが 30分以内に完了するという機能です。

今までは、初回 仮想ネットワークの新しいサブネット上で Azure SQL Managed Instance デプロイ時、デプロイ完了までに 6時間程度の時間を要していたので、DR戦略として バックアップ/リストア 手法を選択することが難しかったのですが、今後はより柔軟なDR戦略を立てることができるのではないかと思います。

【制約】(2023/12月時点)

  • 仮想コア : 4 仮想コア もしくは 8 仮想コア
  • サービス レベル : General Purpose
  • メンテナンス期間 : 既定のまま

 

Azure SQL Managed Instance ゾーン冗長機能

Azure SQL Managed Instance Business Critical で ゾーン冗長が GA となり、General Purpose では 本機能がパブリック プレビューとなったようです。

ゾーン冗長を構成することで、ゾーン障害 (Azure 東日本リージョンでは 3つの可用性ゾーンが存在) が発生したとしても DR が発動することなく、同一リージョン内で データベース サービス を継続できるなど、高可用性が求められる求められるシステムで採用しやすくなったと思います。

 

 

Azure SQL Managed Instance 分散トランザクション機能

Azure SQL Managed Instance で分散トランザクション(DTC : Distributed Transaction Coordinator) 機能が GA となったようです。

オンプレミスの SQL Server では MS DTC を利用した分散トランザクションを実装したアプリケーションを利用していた方もおられると思いますが、Azure SQL Managed Instance においても ODBC/JDBC ドライブの XA トランザクション、T-SQL や .NET ベースの分散トランザクションのすべてをサポートするようです。

分散トランザクションを利用したアプリケーションが動作する環境においても、Azure上の仮想マシンに SQL Server をインストールしなくても、クラウド データベース サービス (PaaS) へ移行が可能となるため、より柔軟な Azure 移行が実現できるようになったと思います。

 

まとめ

今回は Azure SQL Managed Instance の新機能についてまとめてみました。Azure SQL Managed Instance は数年前と比べて、かなり利用しやすくなったと思います。

オンプレミス環境で SQL Server を利用しており、クラウドへ移行することを検討されている場合は、選択肢の一つとして Azure SQL Managed Instance を検討してみると良いかと思います。

 

参考URL

 

※ 2023年12月時点