前回、「Microsoft Fabric」の基本的な概念についてまとめてみました。
今回は、Microsoft Fabric を利用するうえで必要となるライセンスに関する内容を、自分の整理も兼ねて、まとめてみようと思います。
※ ライセンス購入前に、ライセンスに関する正確な内容については、ライセンス購買先ベンダー、Microsoft ライセンス窓口に確認ください。
Microsoft Fabric を利用するうえで必要となるライセンス
Microsoft Fabric を利用するためには、大きく2つのライセンスが必要になります。
- 容量ライセンス
- ユーザー毎のライセンス
容量ライセンス
Stock Keeping Unit (SKU) 単位でサイズ (F2 ~ F2048) が指定されており、Microsoft Fabric ワークスペースに割り当てることで、リソースプール (Microsoft Fabric コンピューティング プール) を利用することが可能となります。
複数の Microsoft Fabric ワークスペースに1つの容量ライセンス (SKU) を割り当てることも、各ワークスペース単位で容量ライセンス (SKU) を割り当てることができます。
そのため、複数の容量ライセンスを所有することができます。
注意点として、SKUのサイズにより利用できない機能 (Microsoft Fabric Copilot 機能 : SKU F64 以上のみ利用可能) が存在するため、利用したい機能が選択した SKU のサイズで利用が可能となるか確認ください。
引用 : Microsoft Fabric の概念 - Microsoft Fabric | Microsoft Learn
また、Microsoft Fabric には 2種類の SKU が存在し、何れの SKU でも Microsoft Fabric を利用することができます。
- Azure SKU
【特徴】
・従量課金制 (時間のコミットメント無し)
・Azure ポータルから容量をスケールアップ/ダウン可能
・課金は秒単位で行われ、最小課金時間は1分 - Microsoft 365 SKU
【特徴】
・月単位、年単位の課金
・従量課金制よりも割安
※ 但し、各 Microsoft Fabricのワークロードはサーバーレスとして動作するため、24時間365日のほとんどの時間帯で稼働していない場合、従量課金制のほうが割安になる可能性がある。
ユーザー毎のライセンス
Microsoft Fabric を利用するユーザーが Microsoft Fabric ワークスペースで作業するために必要となるライセンス。
ユーザー毎に以下の何れかのライセンスが必要になります。
- Power BI Pro
- Premium Per User (PPU)
【補足】
- Power BI Pro ライセンスは Microsoft 365 E5 ライセンスに含まれているため、既にライセンスを保持していないか、ライセンスを購入する前に確認したほうが良い。
- Power BI Pro、Premium Per User (PPU) を保持しているユーザーのみ、Microsoft Fabric ワークスペースのコンテンツを共有することが可能。
- Microsoft Fabric 無料ユーザーが 共有された Microsoft Fabric ワークスペースのコンテンツを参照することは可能。 但し、Microsoft Fabric 容量ライセンス (SKU F64 以上) が割り当てられた Microsoft Fabric ワークスペース に限定される。
※ つまり、Microsoft Fabric 容量ライセンス (SKU F64) 未満が割り当てられ、かつ、共有された Microsoft Fabric ワークスペースのコンテンツを参照するためには、参照側のユーザーにも Power BI Pro もしくは、Premium Per User (PPU) ライセンスが必要になる。
まとめ
今回は、Microsoft Fabric を利用するうえで必要となるライセンスに関する内容についてまとめてみました。
コストという意味では、今回紹介しました「容量ライセンス」、「ユーザー毎のライセンス」の他に、分析用のデータなどを保持するストレージ (One Lake) の費用 (従量課金 : 保存されたデータ量 x 保持期間 (時間) で算出) が必要になります。
なお、ライセンスの正確な内容については、ライセンスの購買元 もしくは Microsoft ライセンス窓口になどに確認を実施してもらえればと思います。
※ 2024年4月時点