第17回では「サービスパック (SP)、累積的な更新プログラム (CU)、重要な更新プログラム (GDR/QFE)」の違い、各種 修正プラグラムの適用時の注意点などをまとめてみました。
今回は、SQL Server のライフサイクル ポリシーについて、自分の整理も兼ねてまとめてみようと思います。
ライフサイクル ポリシーについて
ライフサイクル ポリシーとは、Microsoft が提供する各製品、サービスに対するサポートに関するガイドラインとなります。
SQL Server のライフサイクル ポリシーでは、基本的に製品リリース後から 10年間 のサポートを受けることができます。 また、基本的に最初の5年間は「メインストリーム サポート」、次の5年間は「延長サポート」期間となります。
各フェーズの違いについて、簡単にまとめてみようと思います。
メインストリーム サポート
メインストリーム サポート期間中の場合、セキュリティ更新プログラムの他に、新機能の追加、機能改善(ユーザーからの要望含む) などが含まれます。
また、Microsoft サポート部門からのフルサポートを受けることが可能となります。そのため、何か重要なパフォーマンス問題が発生した場合、想定された動作が行われない場合(エラーが発生する場合含む)、トラブルシューティングに必要な情報(SQL Server メモリダンプ含む) を提供することで、調査依頼を実施することが可能となるようです。
延長サポート
延長サポート期間中の場合、セキュリティ更新プログラムのみが提供され、基本的に 新機能の提供、機能改善(ユーザーからの要望含む) は行われません。
また、Microsoft サポート部門からのサポートもベストエフォート対応になるようです。そのため、製品側の問題が確認できた場合においても、基本的に 製品の改修が実施されないようです。
サポートの終了
延長サポート期間が過ぎた場合、サポート期間が終了となり、セキュリティ更新プログラムの提供が行われず、Microsoft サポート部門からのサポートを受けることが出来なくなるようです。
[補足]
延長サポート期間が終了し、サポートが終了した SQL Server においても、以下の条件を満たす場合、セキュリティ更新プログラムの提供を継続して受けることが出来る可能性があります。
- Azure 仮想マシン上に オンプレミス SQL Server を移行 (無償)
- 延長セキュリティ更新プログラムのサブスクリプションを購入 (有償)
※ 詳細については、以下 URL を参照
SQL Server ライフサイクルの確認方法
SQL Server に限らず、Microsoft により提供されている製品、サービスのライフサイクルについては、以下 検索サイトから確認が可能となります。
※ 例えば、SQL Server 2017 の場合、メイン ストリームの終了日は「2022年10月10日」、延長サポートの終了日は「2027年10月11日」になっています。
また、SQL Server 2016 以前の場合、サービスパック (SP) 毎に サポート期間が定義されている点にも注意が必要かと思います。
まとめ
今回は、SQL Server のライフサイクル ポリシーについてまとめてみました。
基本的に メインストリーム サポート期間が過ぎると、Microsoft サポート部門からのサポートが限定的になったり、製品側の問題が確認できた場合においても、基本的に 製品の改修が実施されなくなります。
そのため、SQL Server のライフサイクルを意識し、早めに以下の何れかの作業計画を実施することを検討されると良いかと思います。
- 新しいバージョンへのアップグレード
- Azure ワークロードへ移行 (Azure 仮想マシン、Azure SQL Database、Azure SQL Managed Instance など)
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※ 2022年10月 現在