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【新機能】Azure Cosmos DB (Ignite 2023)


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Ignite 2023 では、生成AI (LLM) , Copilot などの AI サービスで盛り上がりましたが、データ プラットホーム (Data Platform) 分野でも新機能が発表されました。

今回は Azure Cosmos DB の新機について、自身の整理も兼ねてまとめてみようと思います。

 

 

Azure Cosmos DB とは

Azure Cosmos DB は、リレーショナル (PostgreSQL)、ドキュメント (MongoDB)、ベクトル (NoSQL/MongoDB/PostgreSQL)、キーバリュー (NoSQL/Cassandra )、グラフ (Gremlin)、テーブル (Table) を含む、すべてのオペレーショナル データ モデルに対応した フルマネージドのデータベース サービスです。

AI、IoT、予約管理などのクラウドネイティブなアプリケーションに最適なデータベース サービス となります。

 

Azure Cosmos DB 新機能 (Ignite 2023)


リージョンごとおよびパーティションごとの自動スケーリング (プレビュー)

本機能はプレビュー機能 (2023年12月時点) となりますが、最も処理量が多いリージョンやパーティションに基づいて、自動的にワークロードをスケーリングする機能が登場しました。

この機能は、リージョン間やパーティション間でワークロードに大きな差異がある場合、例えば、ホットパーティションが頻繁に発生したり、特定のリージョンのみワークロードが高い状況が頻繁に発生する場合、特にコスト削減の効果があるようです。

 

現時点においてプレビュー機能であるため、本機能を利用するためには、Azure 管理ポータル - 該当 Azure Cosmos DB アカウント - 設定 - 機能 より、「per Region and Per Partition Autoscale (preview)」を有効化する必要があります。

 

 

Microsoft Copilot for Azure機能 in Azure Cosmos DB  (プレビュー)

本機能はプレビュー機能 (2023年12月時点) となりますが、Microsoft Copilot for Azure 機能を利用した Azure Cosmos DB のクエリ自動生成機能 が登場しました。

現時点において (2023年12月時点)、言語は英語のみがサポートされているようです。

「Show me all the name starting with DATA」という要求したところ、「SELECT c.name FROM c WHERE STARTSWITH(c.name'DATA')」というクエリが自動生成されました。AIを組み合わせることで開発効率が向上しますね。

本機能を利用する簡易手順を以下に記載します。

 

1) Azure 管理ポータル - サブスクリプション - 該当サブスクリプション - 設定 -「プレビュー機能」を選択後、「Microsoft Copilot for Azure in Cosmos DB」を選択し、「+ 登録」を押下します。

 

 


2) Azure 管理ポータル - Azure Cosmos DB - 該当アカウント -「データ エクスプローラ」を選択し、「Query faster with Copilot」を選択します。

 

 

3) Copilot 欄に要求 (今回は「Show me all the name starting with DATA」) を記載して実行ボタンを押下します。

4) クエリが自動生成されたことを確認します。

 

Azure Cosmos DB for MongoDB 仮想コア ベクトル検索

Azure Cosmos DB for MongoDB 仮想コアで、ベクトル検索のために別製品(サービス)にデータを転送することなく、高次元のベクトルデータの効率的な保存、インデックス付け、および、クエリを実行することができるようになりました。

但し、現時点 (2023年12月) において、Azure Cosmos DB for MongoDB 仮想コア (vCore cluster) のデプロイが可能なリージョンは限定されており、Japan East/West リージョンではデプロイすることは出来ません。

 

ベクター検索とは

プロパティ フィールドの完全一致による検索ではなく、データ特性に基づいて類似の項目を検索することに便利な検索になります。

ユースケースとしては、類似したテキストの検索、お勧め候補の作成、異常検出などのアプリケーションで利用されることが多い検索になります。

 

MongoDBとは

NoSQLの中でも「ドキュメント指向データベース」という位置づけのデータベースとなり、JSON形式などの階層構造をもったデータをそのまま格納することが可能なデータベース になります。

 

 

まとめ

今回は Microsoft Ignite 2023 で発表された Azure Cosmos DB の新機についてまとめてみました。

Microsoft Copilot for Azure 機能を利用した Azure Cosmos DB のクエリ自動生成機能」 や、「Azure Cosmos DB for MongoDB 仮想コア ベクトル検索」など、続々と便利な機能が公開されています。アプリケーションに最適なデータストアを判断する材料として、Azure Cosmos DB を検証してみると良いかと思います。

 

※ 2023年12月時点