Azure Active Directory (以下 Azure AD) のテナントを新規作成した場合、"<ドメイン名>.onmicrosoft.com" という初期ドメイン名が付与されます。
初期ドメイン名を削除することはできないのですが、任意のドメイン名でユーザーを管理したい場合、オンプレミス上の Active Directory と Azure AD 間を Active Directory Connect v2.0 (以下 Azure AD Connect) を使用して簡易に同期したい場合 (同期するドメイン名をオンプレミス上の Active Directory と Azure AD とで一致させる。) など、任意のドメイン名 (例えば "customdomain.com" ) に変更することができます。
また、Azure と Microsoft 365 で使用する Azure AD テナントを統合することも可能であるため、カスタム ドメインを設定することで、Exchenge Online のメールアドレスを "<ユーザー名>@<ドメイン名>.onmicrosoft.com" から 任意のドメイン名("<ユーザー名>@customdomain.com" など) に変更することが可能になります。
今回は、 Azure ポータル -「App Service ドメイン」からドメインを購入後、Azure AD にカスタムドメインを設定する方法について、自分の整理も兼ねて、まとめてみようと思います。
カスタム ドメインの購入 (App Service ドメイン)
独自ドメインの購入は、「お名前.com」などのサイトから有償で取得したり、「Freenom」などのサイトから無償で取得することが可能となりますが、Azure ポータル -「App Service ドメイン」から有償となりますが、ドメインを取得することが可能になっています。
「App Service ドメイン」からドメインを購入するメリットとしては、Azure DNS ゾーンの作成、ドメインの委任作業などが自動的に行われることでしょうか。
今回は、「App Service ドメイン」からドメインを購入する手順をまとめてみようと思います。
1) Azure ポータルに接続し、「App Service ドメイン」を選択します。
2) 「+作成」を選択します。
3) 「ドメインの検索」に取得したいドメイン名を入力後、選択可能なドメイン名を選択し、「次: 連絡先情報」を選択します。
4) 「個人情報」、「電話番号と住所」などの必要事項を入力後、「確認および作成」を選択後、「作成」を選択します。
※ ドメイン取得後、自動的に DNS ゾーンが作成され、 Azure DNS でドメインの委任作業が自動的に完了します。
[補足]
「App Service ドメイン」以外からドメインを購入した場合、もしくは、既存のドメインを Azure で使用するためには、ドメインの委任作業を実施する必要があります。
Azure AD カスタムドメインの設定手順
1) Azure ポータルに接続し、「Azure Active Directory」を選択します。
2) 管理 -「カスタム ドメイン名」を選択後、「+ カスタム ドメインの追加」を選択します。
3) 「カスタム ドメイン名」を入力後、「ドメインの追加」を選択します。
4) 「レコードの種類」:「TXT」、「宛先または参照先のアドレス」欄の値を控え、一旦 画面を閉じます。
5) 「DNS ゾーン」を選択します。
6) 該当の DNS ゾーン を選択します。
7) 「+ レコード セット」を選択します。
8) 4) で確認した値を入力後、「OK」を選択します。
9) 再度、「Azure Active Directory」- 管理 -「カスタム ドメイン名」を選択し、「状態」:「未確認」となっているドメイン名を選択します。
10) 「確認」を選択します。
11) 「プライマリにする」を選択し、追加したカスタム ドメインをプライマリに変更します。
まとめ
今回は、Azure ポータル -「App Service ドメイン」からドメインを購入後、Azure AD にカスタムドメインを設定する方法についてまとめてみました。
独自ドメインは、「お名前.com」、「Freenom」などから 安価/無料 で購入 (.tk, .ml など) できるものが存在するため、検証目的でドメインを取得する必要がある場合は、ドメインの委任作業が少し面倒ですが、 別途 ドメインを取得してみても良いかと思います。
※「App Service ドメイン」からは "co.jp" などのドメインを購入できないため、「App Service ドメイン」で購入できないドメインを購入する必要がある場合は、別の方法でドメインを取得する必要があります。
※ 今回の手順は、以下 構築手順 に含まれています。
- 【保存版】Azure Virtual Desktop (AVD) 構築手順
1. Azure Virtual Desktop (AVD) のメリット
2. Azure Virtual Desktop (AVD) 構築
・事前準備
・Azure 無償/有償 サブスクリプション
・Microsoft 365 無償/有償 サブスクリプション
・Azure Active Directory カスタムドメイン設定
・構築
・Azure AD Connect 同期設定
・Azure AD Domain Services 構築
・Azure Virtual Desktop (AVD) 用イメージの作成手順
・Azure Virtual Desktop (AVD) ホストプール作成手順
・デスク トップ アプリケーション グループへ接続ユーザーの登録
・Azure Virtual Desktop (AVD) 接続手順
3. まとめ
※ 2021年12月更新